いとうゆうこさんのインストアイベントに行ってきました。会場に着いたのは
15:20頃、まだステージ設営中でした。ブラブラしながらリハが始まるまで待機。
16:05頃、いとうゆうこさんが登場。最近よく見る緑色のジャンバー、下は
膝の抜けたジーンズ、ヒールの高いブーツを履いていました。ちょっと離れた
ところから様子を伺っているとチラチラと目が合いますが、近寄り難い雰囲気の
ある人なので、あまり見ていると怒られそうです(^_^;)。しばらくして私の方を
見て笑顔を見せながらおじぎをしていました。ここでつられておじぎをして
しまいそうになりますが、私じゃないだろうと後ろを振り返ってみたところ、
誰もいませんでした。うーん、おかしい…。もしかして“しつこい奴”として
顔を憶えられてしまったか…。その後、彼女の知り合いらしい女性が話し
かけていたため、ステージを下りてきて二人で何やら話をしていました。
話が終わると微笑みながらまっすぐに私の方へ歩いてきます。やばい、
これは機嫌でも損ねたか?殴られるのか?とおびえていると(嘘)、
私のメモ帳を叩きながら、「インターネットでレポート書いていたのあなた
でしょう?読みましたよ」とのこと。4/28のNESTのレポートを読んだそうです。
何かまずいこと書いていなかっただろうかと一瞬焦りましたが、今更どうしようも
ありません。「何で曲名知ってるの?」と聞いてきました。あの日のライブでは
未発表の曲がほとんどで、しかもタイトルなどは言っていなかったのです。
受付に置いてあったスタッフ用の曲順表を写したことを告げると納得して
もらえました。「タイトルと詞が全然違うと思っているでしょ」と言いながら
再びセッティングのためにステージに戻られました。
16:25頃からリハーサルが始まりました。サポートはGtとBsです。初めは
「羊飼いの唄」のようなフレーズを弾いていましたが、関係なかったようです。
MC 「リハやります!」
R1. にわとりとたまご
R2. 路地裏のカラス
MC 「リハ終わりまーす」
途中、通りすがりのおばちゃんが「あんなボロボロズボン履いて…」と嘆いて
いました。私のすぐ横にはニュートーラスのスタッフもいたので、何だか妙に
笑えてしまいました。リハは10分ほどで終了。
そろそろイベント開始時刻という頃になると、かなりお客さんが集まって
きました。スタッフからチラシとアンケート用紙が配られます。
17時になったところで予定通りスタートとなります。緑色のジャンバーは
脱いでいて、白い長袖のブラウスになっていました。うっすらと透けている
のですが、後ろを向いたときに背中にも大きなタトゥーが…。ファッションで
ワンポイント程度のタトゥーを入れることが最近流行っているようですが、
彼女の場合はかなり気合い入ってます(^_^;)。そんなことでは芸能人水泳大会
には出場できません(絶対出るわけないって(^_^;))。
MC 「いとうゆうこ、今日は4曲唄いま〜す」
1. がんじがらめ
ハンドマイク。弱めに唄い出しますが、バックの音が厚くなるに従って
ボーカルもジワジワと強さを増してきます。後ろの方のお客さんを見て
知り合いを見つけたのか、ときどき笑顔を見せていました。そんな感じ
なので、あまり唄には集中している感じではありませんでした。もっと
ねちっこく唄って欲しい曲です。枯れたギターの音が、荒廃した歌の
世界を繰り広げる感じで良かったです。
MC 「今日はファーストアルバム用のって言ったらなんだけど、そのための
インストアライブなのね。買ってくれた人にはもれなく、1年くらい前に
録ったデモテープをくれるんだって。それがすっっごい貴重になるように
頑張っていきたいと思います。…そこそこ!メモとらない(笑)」
最前列にいた私は、いきなりステージから怒られてしまいました(^_^;)。
2. にわとりとたまご
途中から打ち込みのドラムを加える形式で、初めすこしリズムが狂いそう
になりますが、すぐに復活します。この曲ではスタンドマイクで、ギターを
弾きながら間奏ではハープを吹いていました。本調子というか、ミキサー
の予想を裏切るほどのボーカルのパワーで、サビの部分などはかなり歪んで
いました。
3. 路地裏のカラス
サビの部分をイントロにしていて、弾き語りでスタート。いよいよ唄という
ところで急に止めます。言い忘れたことがあったようです。
「アルバム『カイト』は、今まで生きてきて悲しいことや嬉しいことも
あったけど…いろいろなことを乗り越えてきた自分が入っているんだよね。
聴いてくれたひとが元気になってくれればいいと思う。」(…こんな感じ)
1コーラス目はほとんど弾き語りですが、ギターはボトルネックでサポート。
2コーラス目からベースも入ってきて盛り上がります。そして後半、再び
弾き語り状態に戻ります。この時の静寂がなんとも言えない切なさを表現
しています。そしてフルパワーでのエンディング、ぎゅっと握りしめた
手のひらから血が滲むような“うっ積したパワー”を感じます。
最後の部分はD7からGに移らない(ドミナント終止にしない)方が良いように
思います。曲調を考え、D7であいまいさを残したままにして欲しいところ。
MC 「じゃあ、最後の曲「フォークソング」」
4. フォークソング
この曲ではハープを吹いていました。以前は俗っぽいなぁという印象だった
曲ですが、最近は妙にしっくりきます。歌詞カードどおり(?)、一番最後は
「単純に」ではなく「絶対に」と唄っていました。「絶対に」で聴いたのは
初めてかもしれません。今まで気付かなかっただけかもしれませんが。
CDは全部「単純に」です。そもそも歌詞カードは最後が「思うけど…」に
なっていますね。
MC 「どうもありがとうございました。終わり」
約30分のステージでした。デモテープをもらえるということで、2枚目の
『カイト』を購入した後、アンケートを書いていると、いとうゆうこさんが
私の横を通りました。その時「唄っているときにメモとるなよ!(笑)」と
ダメ押しして控え室の方に戻って行かれました。
デモテープは「羊飼いの唄」の“ペンペンギターバージョン”でした。
ライブの演奏に近いもので、このようにすっきりしたアレンジの方が
ゴツゴツした強さを感じて好きなんですけどね。それにしてもギターは
本当にペンペンとした三味線のような弾き方でした。
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かみと,1998