久しぶり(?)に長野CLUB JUNK BOXへ行ってきました。例によって[ma]の
ライブです。始まる前に「(レポートを)ビシビシ厳しく書いてください」と言って
いて、何やら始まる前からヘコンでいた様子。30分ほど押してスタート。
○武井冬樹
GtVo。古いタイプのフォークを唄っていました。がなる感じでメッセージ色の濃い
歌です。勢いのあまりリズムが狂うところが何ヵ所かありました。でも、ロング
トーンをわずかにフラット気味に唄い始めて後半合わせるところとか、見事な
タイミングでギターを叩くところとか、もしちゃんと意識してやっているのであれば
たいしたものです。
○SPARK
Vo,GtVoのいわゆる最近のストリート系。柔らかく軽い感じの声質で、お客さん
参加型のライブをやっていました。ハーモニーが今一つだったのは残念。
1曲目「平凡」の歌詞に「平凡なんていやだ」というものがありました。
このままだと平凡な人生になってしまう、という気持ちなのだろうとは思いますが、
平凡な人生も実は難しいものなんですけどね。他の人と同じ人生などありえない
ことに気付けば、平凡な人生の定義すらできないわけで。惰性で生きないように
すれば良いだけのこと。
○[ma]
1. シンボル
ayakoさんの声は高音域が物足りない感じ。一部mayuさんがユニゾンでコーラスを
付けていますが、ややフラット気味でした。ayakoさんの中音域は伸びがありました。
MC 「久しぶりのライブ、久しぶりのJUNK、久しぶりのお客さん…緊張しています。」
2. 春の風
唄い出しのayakoさんの音程が危なかったり、mayuさんのミスタッチが気になったり
しましたが、強弱の付け方など、良くできていたと思います。最後のE♭の音、
ファルセットにしないようにできないものでしょうか…。現状の二人の心境を
思いながら聴いていました。
MC 「今日仕事で遠足に行ってきました。」というayakoさん。ひと山越えて、初めて
ニジマス釣り、ニジマスつかみ獲りをしたという話をしていました。拾ってきた
どんぐりがお客さんへのプレゼント(先着8名)だとか(笑)。
次の「空」について恋の成就の形として「片思い」があっても良いのではないか、
という歌詞との説明でした。
さらに「かげおくり」について、タイトルのきっかけとなったお話「ちいちゃんの
かげおくり」の内容を今までにないくらい詳しく話していました。この話は
戦時中の設定だそうで、mayuさんがピアノを教えている生徒とずっと戦争の話
をしてしまい、10分くらいしか練習時間がなくなってしまったとか。
3. 空
流れるような滑らかなメロディーの6/8の曲。もう少しアクセント
となる部分が欲しい気がします。さらっと聴き流してしまいそうな傾向があり
ます。
4. かげおくり
空に映る自分の影の残像から、「自分の存在を小さいながらもアピールしたい」
という気持ちをこめて作ったそうです。考えてみると、残像はその人にしか
見えなくて、アピールできているのかわからないですね。それは、彼女たちの
音楽におけるアピールの仕方にもつながるのかもしれません。
この曲そのものはとても良いと思います。mayuさんのアレンジが、もっと
ストーリー性が見えてくるくらいドラマチックになればおもしろいかも。
MC 「今日は空づくしです。」
5. ステップ
「夢に向かって走れ」という意味とのこと。ayakoさんの唄は最初の方、低音が
ちょっと苦しそう。今回はもう少しゆっくりしてもらいたい感じでした。
6. Alive
比較的アップテンポな曲。ずっと下で合わせていたmayuさんのコーラスが、
一部上になっているところなど、印象的なところがあります。前半はハーモニー
もきれいに決まっていました。
全体的にayakoさんは少し抑え気味、mayuさんは本調子ではないといった感じが
聴いてとれました。いろいろ状況的に厳しいものもあったとは思いますが、
キラリと光るポイントを示すことができるようなライブをしていってもらいたい
ものです。非常に魅力的なユニットなので、なんとか良い方向にもっていきたい
とか、チャンスを作ってあげたいとか、いろいろ考えてしまいます。もっとも、
今の私にできることなどほとんどなくて、「ステップ」の歌詞ではありませんが、
彼女たちに“もう一歩”踏み出す勇気があれば、状況は変わってくると思います。
彼女たちにとって今の長野での生活と音楽の道とどちらが良いのかなど、私には
判断できませんが、音楽の道を選ぼうという気持ちがあるものとして、ある芝居の
台詞を贈っておきます。「迷いが全てを遅らせる。時にはそれが命取りとなる。」
○NAKAMURA ATSUSHI
[ma]のmayuさんが居残り、中村敦さんのステージのサポートで参加して
いました。21時からのSBCラジオでライブの模様が生中継されるということで、
そのリハーサルのような状態でライブスタート。中村敦さんはスキンヘッドに
髭という、見るからに近寄りがたい雰囲気ではありますが、mayuさんが敬愛する
アーティストです。二人で「旅立ちの歌」という曲をやっていました。mayuさんは
かなり緊張気味で、大丈夫か?と心配になるくらいの放送向けリハーサル。
本番でも、転調するところなどはかなり危険な状態でした(^_^;)。
mayuさんがステージを下りた後、バンドスタイルでのライブとなりましたが、
帰りの新幹線の都合で1曲しか聴けませんでした。mayuさんは速攻で客席に来て
ステージを楽しんでいたようです。
中村敦さんは、何となく桑名正博さんを思わせるところがあり、しっかりと張りの
ある声で唄っていました。楽曲も決めの部分など予想通りにアレンジされていて、
私としては聴きやすいものでした。骨太ロックといったところでしょうか。
again音楽祭のグランプリは、あーた に決定したようです。
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かみと,2001