米倉千尋さんのライブが横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールで行われました。 ライブのタイトルは“Chihiro Yonekura Unplugged Live in YOKOHAMA-AKARENGA 2002 夏”です。今回は指定席と立見の2種類のチケットが発売されていました。 開演10分前に会場着。物販ではこれまでのグッズに加え、この日限定のオリジナル クオカード1000円がありました。また、今度発売されるCDとDVDを予約すると ポスターがもらえるようでした。席は約250用意されていて、開演少し前の頃の 立見は60人くらい。18:48頃開演。サポートはステージ向かって左からDr,Gt,Bs,Gt,Key です。センター奥の一段高いところにグランドピアノが置いてありました。 千尋さんは白いフリル、下は青のドレス風(?)の衣装でした。

 1. Strawberry Fields
    ゆったりと始まります。この曲の雰囲気は好きです。
 2. WILL
    アレンジがアコースティックバージョンに大きく変えられていました。イントロ
    など、全然違う曲みたい。若干Jazzyなところは、前回のライブのつながりも
    あるかと思います。
 MC 「みんな今晩は、米倉千尋です。横浜に里帰りしてまいりました。楽しい気分を
    発散して帰ってもらいたいと思います。」
 3. ライラ・ライラ・ライ
    ラテン調のアレンジになっています。クラベスは3・2で刻んでいるのですが、
    お客さんは追従できずに通常の4ビート。やや鼻にかかった唄い方をしています。
 4. Butterfly Kiss
    この曲はアコースティックではあるものの、原曲に近い雰囲気でした。
 5. 濱のメリー
    横浜だけにこの曲は外せないでしょう。お客さんの手拍子は指を鳴らすくらいの
    方が良かったかも。しっかりした唄で、この日の前半の山場だったと思います。
 MC ここで千尋さんは椅子に座り、Gtの榊原さんを残してサポートメンバーは
    ステージを下ります。
    榊原さん「アコースティックライブなのに、アコースティックコーナー」
    久しぶりに榊原さんに会った千尋さんが敬語になっていて、さびしかったと語る
    榊原さん。そんな話の中、お客さんから千尋さんの髪が立っていることの指摘が
    ありました。ちょうど頭の真上の辺りの髪がピンと立っていて、アンテナに
    見立てたのか「何か発見した?」と千尋さん。
    「横浜にちなんだ童謡を…」と言っている千尋さんの横で、榊原さんが
    「ブルーライトヨコハマ」を弾いていて、「ブルーライトヨコハマ」を唄うのか
    と思ってしまいました(童謡じゃないですが)。そのイントロで千尋さんが
    「赤いくつ」を唄い始めると、今度は榊原さんがビックリ。改めてきっちりと
    イントロから始めると、今度は千尋さんが「赤い靴はいてたら脱げた…」と
    古典的なギャグで中断。再度イントロから始まりました。
 6. 赤い靴(童謡)
 MC 「横浜って悲しい場所ですね。」
    「次は懐かしい曲を。」
 7. 夢見るBlue Moon
    確かに懐かしい曲です。ファルセットはかなり力を抜いて唄っていました。
    “ミラクルチャリ”という言葉が印象的な曲です。
 MC ここで榊原さんもステージを下ります。千尋さんのリクエストしたゲストとして
    元米米クラブの勝又隆一さんが登場。アレンジを手掛けた「Little Soldier」の
    話をすると、「やりました…っけ?」とのこと。曲のタイトルがレコーディング
    よりも後に決まることがあるため、曲名を言われてすぐにわかるわけではなかった
    ようです。
    勝又さんは ものもらい が出来てしまったにも関わらず出演していたことから、
    千尋さんがものもらいを切ったときの話。悲鳴をあげるほど痛かったそうで、
    「薬で治った」というお客さんの声にも「でも勝又さんは無理」と言い放って
    いました。
 8. Truth
    勝又さんのPfの演奏で唄います。ややとがった唄という印象でした。
 9. ライラックの花束を
    この曲では再び榊原さんも登場。
 MC 勝又さんのサポートはここまで。榊原さんも一旦ステージを下ります。代わって
    知野さん(Gt)と和芽さん(Key)がステージに登場。
    19日に誕生日を迎え、「ここまで生きてきて、いろんなことがあったけれど、
    対人恐怖症だった頃の気持ちを唄にしようとしていた頃に、いじめに悩むラジオの
    リスナーからもらった手紙の内容も組みこんだ曲を。」
    「諦めないで前を向いて生きていって欲しい。闇の先には光があると思って。」
10. −祈り−
 MC ここでサポートメンバーが全員戻ります。
    「カバーを唄うことによって発見することがありました。」
11. Desperado(EAGLES)
12. Sweet Seasons(Carole King)
    時々歌詞を見ながらの唄でした。しっとりと唄っています。
 MC メンバー紹介。知野芳彦さん(Gt)、岡野大介さん(Dr)、村上聖さん(Bs)、
    高山和芽さん(Key)、榊原長紀さん(Gt)。それぞれから横浜の思い出を
    語ってもらっていました。やはりデートで来たという話が多いですね(おかのさん、
    村上さん。どちらも現在の奥さんと来たとのことで、問題は無さそう?(笑))。
    榊原さんは、小学6年の頃に横浜が話題になっていたこともあって、自宅の大森から
    自転車で桜木町付近まで来たらしいですが、山下公園の辺りまで行かないうちに
    帰ることにしてしまって、何もなかったという印象だったそうです。しかも帰りに
    道を間違えて、横須賀の方まで行ってしまったとか。メンバー紹介の中で、
    ちのさんは打ち上げではエロキャラになるけれどSMAPなどに曲を提供しているとか、
    村上さんが韓国語を勉強しているとか、高山和芽さんはBaby Booのサポートを
    しているといった話がありました。最後に米倉千尋さんですが、周りから“姫”と
    呼ばれているとか。横浜の想い出として挙げていた場所は、臨港パーク、赤レンガ
    倉庫、インターコンチネンタルホテル。「濱のメリー」のメリーさんがいた
    伊勢佐木町のハマ楽器でピアノを習っていたということも話していました。
13. ドルフィン・ソング
14. It's a beautiful day
    お客さんの多くが立ちあがって手拍子。
 MC 「次の曲で最後です。
15. 夏の終わりの花火

本編はここまで。この時点で20:45頃。アンコールになります。

E1. 甘い甘い毒
    再登場した千尋さん、そのままセンター奥のPfの位置へ。Pfを弾きながらの唄
    でした。
 MC 千尋さんは前に出てきて椅子に座ります。
    「アンコールありがとうございました。今日来てくれた皆さんに私からこの曲を
    贈りたいと思います。」
E2. FRIENDS
    わずかにシャープ気味でしたが、気持ちが入っているときは力が入るようです。
E3. かえりみち
    Gtが運び込まれて、Gtを弾きながらの唄でした。これも最近なかなか聴けない曲。
 MC 「みんなどうもありがとう。」

アンコールここまで。21:04頃でした。ダブルアンコールになります。

 MC センターに6本のマイクが置かれます。「6人でア・カペラを。」
E4. がんばれ!!
    サポートメンバーを含む6人で唄います。思ったよりもしっかりしたハーモニーに
    なっていました。

ここで終わりの予定だったようですが…。

E5. Happy Birthday to you
    千尋さんの誕生日が8/19だったこともあり、サポートメンバーのみで突然唄い
    出しました。こちらのハーモニーは今一つでしたが、唄が本業でない人たち
    でしょうから、まぁ、“気持ち”ということで。

勝又さんが米米クラブを思わせる派手な黄色いタキシード(?)で、花束とケーキを
運んできました。ろうそくの火を吹き消して笑顔を浮かべる千尋さん。

 MC 「いくつになっても変わらず元気に唄っていきますので、みんな私に着いて
    来い!素敵に歳を重ねていきましょう。どうもありがとうございました。

 終了は21:16頃、2時間半に及ぶライブでした。今回はアコースティックということも あって、30歳になった千尋さんの歳相応の内容だったのではないかと思います。 選曲もこれまでのライブとは変わっていて、滅多に聴けない曲が並んでいました。 もっとバラード中心になるかと思ったのですが、にぎやかな曲も様々なテイストの アレンジによって雰囲気を合わせていました。
 千尋さんは全体的に抑え気味に唄っていました。アコースティックライブなので 妥当な選択かと思います。構成としては全体的に平坦になっていて、その分だけ じっくり曲を聴かせたいという意識があるのではないかと思います。 「立って聴いても良い」とわざわざ話していましたが、私の考えは「気分が乗って きたら立つこともある。内容が悪くなければ拍手をする」で、そんなこと言わなくても と感じてしまいます。実際はじっくり聴いていた人の方が多かったように思います。
 バンドでの派手なライブばかりでは、今後続けていくのは(体力的に?)厳しいと 思うので、今回のようなスタイルのライブも織り混ぜていくのは良いと思います。 バンドの勢いに消されない、ボーカルの質感を伝えるにはふさわしい形ではないで しょうか。座席指定だったこともありますが、音響バランスのあまり良くない位置で (センターブロックの若干左寄り。バランス良くないと言うのは贅沢でしょうか)、 響きもいかにも“倉庫”という感じでした。 せっかくのアコースティックサウンドだけに、P.A.無しの生音で聴けるくらいの (タイトルもUnpluggedなわけですし)小さなスペースでのライブだと望ましいのですが、 今の千尋さんの状況では難しいですね。場所的に便利というわけではなく、料金設定も 高め、唯一の救いは学生が夏休みという状況にも関わらず、会場を一杯にするだけの 人が集まるのはたいしたものです。

 ライブ終了後、もし会場近くで花火でも上がっていれば、演出としては素晴らしい のでしょうね。
SAIL Music Laboratoryへ戻る
copyright かみと,2002