ジムノペディの初ワンマンライブ“濡れ手でアワー”が原宿アストロホールで 行われました。前売ソールドアウト、当日券なしということで、予想通りびっしりと お客さんでいっぱいでした。19:06頃に開演。お客さんの拍手に迎えられて永長さん、 小林さんと、下手側のメンバーから登場します。最後にナオミさんがキャンドルの 点いた燭台を手に登場。

 1. 雨、所により花吹雪
    ジムノペディらしい“ねちっこい”唄い方です。久しぶりに聴きました。
 2. ジェリー
 MC 「今晩は、ジムノペディと申します(多分お客さんはみんな知ってるでしょうけど、
    恒例の挨拶)。“濡れ手でアワー”にようこそ。最後までゆっくり楽しんでいって
    ください。」
 3. 夜感リサイタル
    これもまた最近のライブではほとんど選曲されていない1曲。
 4. 花オルゴール
    柔らかな雰囲気が漂います。
 5. ジュ/トゥ/ヴ
    この曲も久しぶり。畔上さんのオルガンの音色が良い感じです。複数台の
    キーボードを使うのも珍しいかも。この曲を聴いたばかりの頃、畔上さんに
    表記の仕方を教えてもらったこともありました。
 6. ままごと初夜
    最近聴いていない曲が続きます。
 MC 「ジムノペディです(多分お客さんは知ってる…)。今日は“濡れ手でアワー”
    ということで、こんなに来てくれるとは思いませんでした。いつもは30分から
    35分くらいで、もうそろそろ終わる頃なので、メンバーにも水を飲ませないの
    ですが、今日はワンマンライブということで、チョーお得です。」やけに笑顔の
    ナオミさん。
 7. やっと、ひとくち
    ここから座って唄います。「愛してる」の部分をオフマイクで(口を動かすだけで
    声も出していなかったかも)唄っていました。
 8. お医者様
    まったりとした雰囲気が漂います。
 9. サリエリ
    この曲も久しぶり。やはり良い曲です。間奏などでもっと引っ張って、後半の
    盛り上がりを際立たせるともっと大きな曲になりそうです。
10. 恋じかけのワルツ
 MC 「“噛み契らナイト(ジムノペディ企画イベントのタイトル)”と違って、MCは
    無音です。一生懸命しゃべっています。CDを出してから2年、(ナオミさんが)
    ジムノペディに入ってから2年半、お客さんが1人だったこともあって、クリスマス
    とか(おそらく2002年12月24日のCLUB 24 YOKOHAMAのこと)。次はジムノペディに
    入るきっかけの曲を。」ジョイタイムで小林さんとデモテープの交換をして、
    この曲を聴き、「是非一緒にやりたい」と約束の期間を待たずに(テープ審査?の)
    結果を尋ねたらしいです。
11. 13
    ナオミさんが屈託のない笑顔で唄う光景は珍しい。個人的には、ステージでは
    これまで通り無機質で退廃的なスタイルを演じ続けて欲しい。
12. 恥艶の輪
13. ウタカタ
    突然音が狂ったかのように、伴奏がちぐはぐな音程になって、必然的に
    ナオミさんも音を合わせられずに困惑しながら唄っていました。
    モニタもまともに聴こえていなかったのかもしれません。これほどまでに
    乱れた唄になったのも珍しい。曲が終わったところで「もう一回だな」と
    言いたいくらいでしたが、そんな隙すら与えられずに次の曲へ。
14. ヒメゴト花火
 MC 曲の最後に「間違ってごめんなさい」と言ったとき、永長さんがびっくり
    したように笑っていたのが印象的でした。「ワンマンならではということで。
    ご希望でしたら、いつかライブで「ウタカタ」を2回唄いたいと思います。」
    「来年はいろいろなところに(ジムノペディを)見せてやろうと思っています。」
    ライブの告知に続き、3月にアルバム発売予定との告知。
15. スタッカート

ここで本編終了。20:31頃でした。アンコールになります。
「アンコールやる気まんまんだから、出てくるの早いし。」と笑うナオミさん。
ここでTシャツ(2000円)とハンドタオル(1000円)の宣伝。今回は相楽さんの
デザインとのこと。

 MC 「ぜひ聴いてもらいたい曲があります。」
E1. 手紙

ダブルアンコール。

 MC 「さっきより早いじゃんって思っているでしょ。これで本当に最後です。
    聴いてください。この曲だ!」
E2. トレモロ

 終演は20:50頃でした。
 前半からベースやボーカルがハウり気味だったり、音も比較的硬めで、 ジムノペディらしい濃厚さというよりもぎこちなさの方がありました。 これまでの、するするとにじり寄ってきて、聴いている人にまとわりつくような音 というより、正面からぶつかってくるような音でした。 「ウタカタ」についてはアクシデントと言えるものでした。焦るナオミさんも 首をかしげながらモニタにしがみつくようにして唄っていて、音を取るのに 必死という感じでした。聴いている側からすれば、ステージの様子や聴こえてくる 音が全てですから、とても満足できるものではありません。この時点で一気に ジムノワールドから現実へと引き戻されてしまったような感覚です。その後の ナオミさんは、音の糸を手繰るように確かめながら慎重に唄っている感じがあって、 盛り上がりを抑え込まれてしまったようでした。選曲が良かっただけに、とても もったいない。正直なところ、このアクシデントも含め本来の6割、アクシデントが 無かったとしても8割程度しか、魅力が出せていなかったのではないかと思います。 陶酔するというか、麻痺するというか、ジムノペディのこれまでのライブで何度も 抱いた感覚までは到達できなかった気がします。時間や曲数ということではなく、 ある瞬間にギアが切り替わるようにトランスすることが必要なのですが、それが 無かった感じです。とはいえ、ライブが終わった後の私は笑っていました。 反省点は多かったと思いますが、これまでにない満足感もありました。
 ジムノペディを初めて見た2002年8月12日は、今回のナオミさんの話から、 活動し始めてから間もない時期だったことがわかりました。確かにあの頃は お客さんも少なくて、申し訳なさそうに客席の中央付近で一人ポツンと見ていた ものでしたが、2年後、こんなにお客さんが増えるとは想像すらしませんでした。
SAIL Music Laboratoryへ戻る
copyright かみと,2004