YEBISU∞switchでおこなわれたイベント“AtoNO Records Special Opening Party” に出演した福井静さん、今成佳奈さん、NUUさんを見てきました。このイベントは YEBISU∞switchの母体であるAtoNO Recordsが恵比寿に移転してオープンした記念と、 AtoNO Recordsの社長の31歳のバースデーパーティーを兼ねていて、親交のある Daylight STUDIOの静さんと佳奈さんもゲストとして呼ばれたという、関係者向け イベント。NUUさんは社長のリクエストに応える形での出演とのことでした。
 私はDaylight STUDIO関係者ということで入場。会場へ入ると静さん、佳奈さんの プロデューサが手を上げて私を呼び、AtoNOの社長を紹介してくださいました。 やはり若いなぁというのが第一印象。静さんや佳奈さんのいるテーブルに呼ばれて しばらくすると開演となりました。AtoNOのスクールに通う生徒の出演者も含め、 出演者がけっこういます。YEBISU∞switchステージ後ろにカーテンがあるためか、 音場としてはdeadな空間でした。

○STEAMA
  Dr,Bs,Vo(女),Gt,Pf(女)という構成のポップス系バンド。Gtは羊毛とおはなとして
  活動しているとのこと。
 1. 満潮ロック
 2. 満ちてくる
 3. “一緒に食べてそばにいたい…”
  だらっとした発音と癖のある唄い方でした。演奏はシンプルなのですが、
  その分だけ粗さが気になります。バンドとしてはまだまだといったところ。
  
○大和南
  長身の女性ボーカル。演奏はAtoNOの田中社長によるPf。
 1. でまかせ
 2. 目隠し
 3. 生まれてきたことを
  受け口の人らしい発音の仕方。唄い方にはややこもった感じがあり、マイナー調
  フォークと言った曲調中心だった雰囲気に合っている気がします。最後に唄って
  いた「生まれてきたことを」の後半などはインパクトありました。

○可如子(かなこ)
  PfVoの女性。鼻にかかった声でべたついた感じの唄い方でした。曲の内容としては
  単調になりがちで、メリハリが欲しいところ。むしろトークの方が得意なのかも。
  「ライブの夢を見ました。椅子が高くて足が届かず、鍵盤も長くて。そうしたら
  女の人がやってきて、横に座って演奏してくれました。」そんなMCを聞きながら
  妙な想像をしたのか、私の横で静さんが声を殺して大爆笑していました。

○sae
  女性ボーカル。伴奏は再び田中社長のPf。
 1. 桜の想い
 2. 小夜曲(セレナーデ)
  歌謡曲からニューミュージック、人によっては演歌っぽく聴こえるかもしれません。
  しっとりとした唄い方で、大人っぽさ(実際に年齢も高い?)がありました。数日前に
  沖縄にストリートライブをしに行った内容など話していました。「国際通りは
  その名のとおりいろいろな国の人がいて、中国の人に好評でした。立ち止まって
  聴いてくれたのは上海から来た中国人、差し入れの缶ジュースを置いていって
  くれたのも中国人。」話し方の間(タイミング)が笑いを誘っていました。なんとなく
  中国人のような話し方に聞こえてくるから不思議です。

○NUU
  ゲスト1組目です。大西雄介さん(Gt)のサポート。
 1. ただ
 2. 握手
 3. あかり
 4. 123456789,10
    皆に唄わせようとします。客席のほとんどがAtoNOの生徒なので、それなりに
    唄うだろうと思っていましたが、ステージと客席の照明を落としてお客さんの
    唄いやすい雰囲気にしていました。
 5. (アドリブ)
    田中社長への誕生日を祝うメッセージをア・カペラで。
 6. hometown
  これまでの出演者はAtoNOの生徒と思われるのですが、最初のゲストということで
  多少やりにくそうなところはありました。それでもいつものように、ゆったりと
  したNUUさんの世界をきっちりと作り上げて、聴く人たちを引き込んでいきます。
  じわじわと心の中に入ってくるような唄い方はさすがです。
  途中で田中社長が生徒に「(聴かずに)話したい人は外へ」と業務連絡したことで、
  客席の集中力も上がっていました。NUUさんは「怒られちゃった…」と場を和ませる
  必要ができてしまいましたが。そもそもマナーとか音楽に対する姿勢から教育して
  おくべきでしょうね。

○フラクタル
  男声3、女声2という構成の混声のア・カペラグループ。微妙に音がずれて始まると
  そのままずれたまま最後までいってしまう感じで、頭を抱えてしまうような曲も
  ありました。周りと自分の声を聴きながら唄うという、基本部分をもう少し
  積み重ねた方が良さそう。

○今成佳奈
  ゲスト2組目になります。福井静さんとセットで紹介されていますが、まずは一人で
  客席からステージに上がります。
 1. Lovin' You(ミニー・リパートン)
    今回ピアノ弾き語りを初披露とのこと。東京で人前で唄うのも初めて?
    無難に演奏していましたが、演奏は自信なさそうなところがあり、やはり意識が
    ボーカルと演奏に分散してしまいがちです。まぁ、カバー曲の演奏に必要以上に
    注力することはないと思いますが。サビのファルセット部分は、1回目は地声で
    2回目以降はオリジナルと同じようにオクターブ上のファルセット。ブレスの
    位置や語尾が途切れるあたりが多少気になります。それでも佳奈さんの潜在能力の
    高さを示すには十分な唄でした。
 MC ここでサポートピアニストの こんどうれい さんを呼び込みます。
    佳奈さんは花粉症で、今の時期(昨年12月から症状が出ていたらしい…)はかなり
    つらいようです。「もうすぐマスクをとって春の風を感じたいと思います。」
 2. 春ほわり
    佳奈さんの地元である大分にて、6月から(?)先行発売になるデビューシングルの
    カップリング曲。ややアイドル系を感じさせるようなミディアムテンポの
    優しさあふれる曲で、言ってみれば福井静さんの「マチ」のような路線です。
    春のやわらかさを感じさせます。オリジナル曲を聴かせてもらうのは初めて
    だったので、「なるほどこういう(いわば清純アイドル的な)路線で行くのか…」と
    思っていたのですが、シングルのメイン曲はまた違った雰囲気らしいです。
  この日も花粉症でひどい状況だったようですが、それほど症状がひどいとは
  思わせない唄でした。2曲だけですが、「どんな曲でも唄えそう」と感じさせる
  選曲で、他にも聴いてみたいと思ったお客さんも多いのではないかと。
  CDジャケットのコピーも見せてもらいましたが、静さんと同じような顔のアップの
  ようです。確かにジャケ買いしたくなるような感じ。ちなみにCDタイトル曲は
  「Open Eyes」とのこと。

○福井静
  佳奈さんが静さんを呼び込み、静さんと代わります。サポートは継続して
  こんどうさん。
 1. 部屋
    淡々と流れるような曲なので、後半になって変化がないとちょっとつらい。
    最後2小節くらいで唄い方に変化点があるのですが、もう少し前から盛り上がって
    いて欲しい気がします。
 MC 再び業務連絡で生徒に指導が入ります。それを受けて静さんは「今度は
    やんわりと怒られてしまいましたが。」それに対し田中さんは「お前を
    怒りたいよ。」と。「31歳なんだから怒らないでください。」と静さんが
    やりかえしていました。さぽーとはここまで。
    「田中さんからは「ごめんね」をリクエストされたのですが、暗い曲なので、
    もっとふさわしい恩師に贈った曲を…流用というわけではないのですが。」
 2. ありがとう
    弾き語り。声も良く伸びていて、静さんらしさがよく出ていたと思います。
    ちょっと力を入れたときの唄い方など、よいアクセントになっていました。
    じわっと沁み入るような唄が心地よいですね。
  静さんもこの時期は花粉症ですが、それほどひどくはない様子。安定した唄を
  聴かせていました。佳奈さんの先輩という立場もあってか、MCでもしっかりした
  印象を与えていました。

○安部潤
  ゲスト。ピアニストで、田中社長のピアノの先生でもあるらしい。基本的に生徒を
  とらないということで、生徒はBoAさんと田中社長だけのようですが。サポート(?)で
  奥田健治さん(GtVo)。なんとなく走り気味のところもありましたが、その
  技術力の高さを見せ付けていました。繰り返し打ち寄せる波のようなピアノでした。

○吉田英樹&TOKYO GOSPEL PARADISO
  AtoNOの講師(?)吉田さんと生徒たちによるコーラス。2組で合計30人近くなって
  いましたが、人数による圧倒感が際立つ感じ。いかにもゴスペルっぽいのは吉田さん
  だけ、という気がしなくもありませんが。

 YEBISU∞switchのブッキングマネージャーMさんは以前からの知り合いですが、 私の周りの人には、私とMさんは犬猿の仲と思われていることでしょう。Mさんの ところへ顔を出すと、一瞬固まったような表情をして「なんでSAILちゃんがいるの? (私のことをSAILちゃんと呼ぶのは、とちもとくみこさんとMさんだけです) 社長のバースデーパーティーなのに…。あ、福井さんか…。」と納得していました。
 余談ではありますが、私も数日で誕生日なので、自分も祝ってもらっているような 気分でした。
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copyright かみと,2005