江古田BUDDYで東京Qチャンネルのライブを見てきました。1998年に活動休止した
東京Qチャンネルのデビュー10周年記念祭“TEN-SAI”ということで、7年ぶりの
ライブになります。事前に座席の優先予約が行われていたのですが、私が知った
ときには予約は終わっていました。立見のつもりだったので、開場して周囲が
落ち着いた頃に入場。これだけ長い間活動がなかったにも関わらず、客席はいっぱい
でした。開演予定時刻よりも10分ほど前から、“ラジオニアンQ殿”ならぬ
“ラジオニアンじゅうでん”として、かつてのラジオ番組のように進行していきます。
以前のように楽屋の盗聴マイクのネタがあったり、当時作成されたCMが流れたり。
東京Qチャンネルのファンは基本的にラジオリスナーであり葉書職人だったよなぁ、
と再認識されます。番組も佳境に入ったところでサポートメンバーが登場。
Sax,Gt,Dr,Bs。続いて作務衣の割さんが現れ、すどぱぁもそれに続きます。
1. 恋はVITALITY
2. 遊びに行こう!
3. PARADISE
MC 「こんばんは。…すっごいいっぱいいるよ。」「こんなに集まっていただいて、
心の中では号泣です。」「東京Qチャンネルのすどぱぁこと…懐かしい、この
感じ。」もう現役ではないので、ミスがあると思うけれど許して欲しい。
かつての反省点を活かして、すどぱぁの全身を堪能できるように椅子席にした。
1997年の名古屋クラブクアトロは350人、1998年の名古屋ハートランドは250人、
今回は150人。初めて東京Qチャンネルのライブを見る人がどれくらいいるか
尋ねると結構たくさんいて、すどぱぁも思わず「今まで何してたの?」
ここまでの3曲は「みっちり練習しました。あとはおまけと思って。」
「(楽しんで)元取って帰ってください。」
4. Radio Heart Beat〜6つ目の目覚し時計〜東京ワンルーム物語〜Say! Happy Birthday
「東京ワンルーム物語」ではクラリネットを吹くすどぱぁ。かつてのように
良いところで音を外すのではないかと期待(?)していましたが、まともに吹いて
いました。
5. Brand-new Day
MC 「初めてメドレーをやりました。」メールでリクエスト曲を募った。
今月ライブをすることにしたのは、来月になるとすどぱぁが40歳になってしまう
ためらしい。
6. close
MC 割さんの近況(?)紹介。割さんは結婚し子供も生まれ、その子供は客席で騒いで
いました。子供は割さんと同じ誕生日だとか。
この日発売する限定CD(幻の3rdアルバム)はデモ音源で未発表曲15曲を収録。
タイトルは“Wonder Station”とのこと。
7. 横浜WALK
8. 僕は君が好きだよ
9. 月夜の星
MC 「もう1曲バラードを。」
10. 29歳
転換(オリジナルコマーシャル)。以降しばらくは二人のステージになります。
11. 花咲く頃に…
MC 名古屋クラブクアトロの再現を。
12. 続・お茶菓子
転換(ニュース速報、ラジオショッピング)。ここでこの日発売になるグッズが
紹介されました。
(1) 幻の3rdアルバム『Wonder Station』(\3,500-)
(2) メモリアル名刺入れ(\1,000-)
(3) クリアファイル3色(各\500-)
(4) 手ぬぐい(\1,000-)
(5) 福袋(\5,000-)
(6) スプーン&フォーク(各\800-)
(7) サングラスと「僕は君が好きだよ」の直筆譜面のセット(\5,000-)
(8) すどぱぁ使用モーリスのギター(\10,000-)
(9) 割さん著「から騒ぎの遊園地」(\10,000-)
(10) すどぱぁ作ぐいのみ(未完成)(\2,500-)
いずれも個数限定品。ここでサポートメンバーが登場。
13. vs.ヘクトパスカル
MC 「最後の一撃といえば…」と、CDでもナレーションを担当している正岡謙一郎さん
を呼び込みます。
14. 最後の一撃
15. 夏はお祭り
16. 「いつか」は今日だった
MC 「最後の曲です」
17. 素直なままで恋をしようよ
アンコールになります。事前にQ10(きゅうてん)PROJECTを中心に、お客さんの間で
仕組まれていた10周年記念お祝い企画が実施されます。
E1. 普通の日々
エンディングは再び“ラジオニアンじゅうでん”。
3時間近い(オープニングとエンディングを含めれば3時間超)のライブでした。
ほとんどリハをしていないとか、いろいろと謙虚な発言はありましたが、かつての
緻密なアレンジ、せつなさを含んだすどぱぁの声は、7年の月日を感じさせない
ものでした。とはいえ打ち込み中心だったし、声も高音域の伸びが弱まっている
ところはありました。ライブの構成はしっかりしていて、純粋に楽しめるもの
でした。
このレポートの最初にも書きましたが、東京Qチャンネルのファンはラジオ世代
という気がしています。ここでのラジオ世代は、小・中学生の頃に個人で持っている
のはテレビではなくラジオだった世代、という意味で使っていますが、ラジオ世代は
音楽的な資質の高い人が多い気がしていて(以降のテレビ世代は音楽よりも
ビジュアル志向が強い)、お客さんを見ていても時代の変化を感じますね。
そういうお客さんだからこそ、音楽的にも緻密で完成度の高いものが望まれていて、
東京Qチャンネルはそれに応えるだけのユニットだった(過去形)気がします。
ラジオ番組のコーナーで作ったコマーシャルひとつひとつについても、当時からの
クオリティの高さを改めて感じます。
一方で考えさせられるところも多かったのは事実です。10年のうち7年は活動して
いなかったのに10周年というのも…とか。また、新曲のないライブだったこととか、
発売されたアルバムはかつて作っていた未発表デモ音源を集めたものであるとか。
ファンの思いが強すぎるため、生命維持装置を外せずに年月が過ぎ、今回無理矢理
引きずり出されてしまったような印象がぬぐえません。ライブ中は華やかで楽しい
ものだったのですが、まるで既に散ってしまった桜の花びらを拾い集めて、もう一度
ばら撒いてみた、そんなライブだった気がします。今後につながるものが何も
なかったことも、ライブが終わったときに虚しさを感じさせる要因でした。
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かみと,2005