伊藤サチコさんの企画ライブ“MUSIC LAB Vol.5”が下北沢440で行われました。
今回のサポートはcafelonの石崎光さん(Gt)。
1. 赤い魚
Gtのみで唄います。今回の立ち上がりスムーズで、声がきれいに出ていました。
MC 「おかげさまで伊藤サチコ企画“MUSIC LAB”も5回目になりました。」
2. 夕陽ありがとう
前半はブルース調、後半はスイング調のアレンジ。唄い方はそれほど変わって
いなかったので、多少中途半端に感じるところはありますが、楽しそうに
唄っています。
3. カモメ
スローなアレンジで、サチコさんの期待通りの浮遊感がありました。
MC 光さんの紹介。サチコさんにとって「自分のダメなところを出せる人」とのこと。
光さんと二人だけのステージは初だそうです。
4. 帰りたくない日
二人の共通の趣味を活かして…ということで、基本的にファミコンの電子音のみ
(基本的にスーパーマリオと思われます)の打ち込みを使います。
「(こういうことを考えるのは)5人ぐらいしかいないかもしれない」というような
ことを話していましたが、トンガリキッズの「B-DASH」ですかね。
MC 「まじめにやるよ!(笑)」
5. カレンダー
サチコさんは鉄琴を使います。まじめにやるの言葉通り、まともでした。
MC ゲストとして同じ事務所からSOUND SCHEDULEの大石昌良さんが登場。
「(自分の歌を)男の子に唄ってもらったのを聴いてみたい」とのことでしたが、
そもそも大石さんがかつて、「「宿題」をアレンジして唄っている」という
手紙をサチコさんに書いていたのだとか。
6. 宿題
大石さんが唄います。比較的キーは高めで、ハスキーな声。サチコさん曰く
「モテ声」だそうですが、結構ありがちな気もします。
7. シチューが飲みたくなる歌(SOUND SCHEDULE)
引き続き大石さんの唄。
MC 大石さんに代わり、次のゲストである石嶺聡子さんが登場。お互いに賞賛
しあっていて、ちょっとやりすぎ。石嶺さんが「花」を唄っていた頃から
サチコさんが気に入っていたようです。
8. 嫌いになってください
石嶺さんが唄います。安定感という意味ではサチコさんを凌駕していて、
まんべんなくうまいのですが、その分だけ平坦な唄い方に聴こえてしまいます。
MC 「なるほどね。」サチコさんにはそれなりに勉強になったのかもしれません。
9. Libra(石嶺聡子)
できたばかりの曲だそうです。サチコさんはユニゾンでコーラスを入れて
いました。
MC 石嶺さんを送り出し「歌って好きです、私。」と話すサチコさん。中学の
時の先生が「中途半端な音を出すな。それはパンツの中を見られるくらい
恥ずかしいこと」と言っていたことを心に、「一音一音を届けるように
唄っていきたい」とのこと。
10. 夢の途中
この日サチコさんはThe BEATLESのTシャツを着ていましたが、この曲は
The BEATLESの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」〜「With A
Little Help From My Friends」の流れを彷彿とさせます。光さんのコーラスが
だんだんブラスの音に聴こえてくる気がします。
MC かつて、たった2文字を口に出せなかったことを後悔している。そんな
片思いの曲。
11. 天気雨
ややファルセット弱め。
12. 僕の場所
13. 東京の空
ちょっと声が裏返るところはあったものの、気持ちが入っています。
MC 10月19日に発売される3rdアルバムの紹介。コンセプトは“純心”
(“純真”ではない)。口から出ずに心に残った純粋な気持ちがテーマ。
14. 三日月の夜
演奏を一度止めてやり直します。
アンコール。
E1. 唇に歌を
中音域の声がしっかりとしています。できたばかりの曲らしいです。
曲はこの日のゲストの石嶺さんが唄っている「ローズマリー&タイム」の
サビに似ていて、曲を聴きながら歌詞を重ねて聴いていました。
MC 「ここで終わろうとしているのですが、飛び入りでギターを弾いてくれると
いうので…」と、CORE OF SOULのソン・ルイさんを客席から引き上げます。
E2. 心の扉
2人に加え、ソン・ルイさんの12弦ギターが入ります。
これまでの“MUSIC LAB”は時間的に短い印象でしたが、2時間半にわたるライブ
でした。サチコさんの調子は良く(後半になるにつれてよくなるタイプ、1曲目の
安定感が肝心と思っている)、彼女の意思や主張が色濃く表れた内容でした。
このイベントの特徴である実験的要素は前半を中心に盛り込まれていて、
それなりに新しさはありました。方向性はサチコさん自身が決めているかも
しれませんが、まだまだ周囲の影響が強いような気がしているので、自然に
サチコさんの中から音が生まれてくるようになると、このイベントが本来の姿に
なる気がします。ゲストとして石嶺さんを入れてしまうのはなかなか大胆で、
技術的にはオリジナルのサチコさんよりも上手に唄われてしまうことになって
しまいましたが、私の印象では「石嶺さんはボーカリストでありサチコさんは
シンガーソングライター」なので、サチコさんにとっては唄も含めた音楽性の深さが
増すきっかけになり得るのではないかと思います。
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かみと,2005