恵比寿天窓.switchで行われた“小林分裂 白ミカmeets黒ミカ”を見てきました。 小林未郁さんが、明るい曲しか唄わない白ミカと暗い曲しか唄わない黒ミカの 二人に分裂するというもの。
 まずは場内アナウンスが流れます。「撮影は原則禁止…ではありませんが…」 と言った時点で、この日はライブではなく撮影会になりました。私から見える 範囲で4人に1人くらいが撮影している状況。なお、事前にホームページで 「じゃんじゃん撮ってください」と書かれていました。
 続いてプロデューサの福田さんが白衣と白髪のカツラで登場。白ミカと黒ミカに ついて、その経歴を説明していました。その経歴に則った登場人物を未郁さんが 演じるというもの。福田さんに連れられ、鎖につながれた黒ミカが出てきました。 黒のドレスで背中には紫色の羽がついていて、悪魔のイメージのようです。 曲の間に黒ミカの話すセリフは憎しみに満ちた内容で、聴いていてあまり気分の よいものではありません。憎しみの中に愁いが感じられれば、まだ感情移入できる ところもあると思うのですが、単に罵っているだけの憎しみでは、同情する気にも なりません。後半では福田さんがPfを演奏していました。唄は普段のライブに 近いものでした。

 1. 歯車
 2. まどろみ
 3, まぼろし
 4. 極印No.2
 5. 桜花心中
 6. 毒
 7. 子犬
 8. 群花



 白ミカはアキバ系アイドル路線。白のドレスに猫の耳をつけていました。 ビデオ撮影していた最前列のおっさん連中の顔がほころんでいて、早速 帰りたくなります。こういう連中と同じ空間にいるという状況に耐えなくては ならないのは、精神的にかなりの苦痛を伴います。こちらは全てオケ使用。 本人も話していましたが、動き回るためか息が続いていなくて、音のとり方も曖昧。 そもそも楽曲が今ひとつだったこともあり、かなり不満の残る内容でした。

 1. 武装社会
 2. HOT CRUSING NIGHT
 3. 駆け引きゲイム
 4. 揺れる恋 乙女色
 5. マーマレード・サンデイ
 6. Ocean View〜海に降る雨〜
 7. 人生設計
 8. 走り幅跳び講座



 全体的に考えてみても、演芸会的というか宴会芸というか、シラフなのだろうか と思ってしまうような内容でした。事前に「かなり引くか、楽しめるかのどちらか」 というような話がありましたが、私は明らかに前者でした。多重人格を演じ分ける ことはできていると思いますが、この人は歌手ではなく元々タレントなのだという ことを痛感させられます。普段の小林未郁さん自体、演技でしかないのかもしれない とまで思ってしまうほどです。
 コンセプトは悪くないのに、これだけ不愉快な気分のライブになってしまったのは、 唄をおろそかにしていたからかもしれません。懐石シリーズのイベントもある種の コンセプトをもって行われていますが、出演している人が“本物”だけに違和感は ないのですが、今回のイベントは“余興”でしかありませんでした。私の中では 小林未郁さんに対して評価を下げざるを得ない内容でした。
 個人的には良い一日だっただけに、最後にケチがついた感じで、行かなければ 良かったとか、別のところに行けば良かったとまで思ってしまいました。
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copyright かみと,2006