久しぶりに今成佳奈さんのイベントを見てきました。会場は大分明野アクロスで、 屋外のセンターコートが1回、アクロス内の紀伊國屋書店が2回の合計3回ステージが 予定されていました。福岡経由で大分入り。アクロスは大分ではおなじみのトキハ系の ショッピングセンターで、路線バスで向かいます。15分ほどの道中で乗客は私だけ だった上にどんどん山の中へ入って行くので、バスを乗り間違えたかと不安に なりつつ会場入り。
 センターコートでは前日には雛形あきこさんがトークイベントをやっていたよう ですが、この日は子供向けのプリキュア5のキャラクターショーをやっていました。 撮影会の長蛇の列が消えた頃、今成佳奈さんがリハーサルのために現れました。 5分ほどの音あわせで唄ったのは「風を感じて」でした。13時になり紀伊國屋書店の スタッフに紹介されて登場。

 1. 風を感じて
 2. Happiness
 3. I Love You〜スキダヨ〜
 4. 僕らのHistory

 全曲オケです。強い日差しの照りつける中でのびのび唄っていました。久しぶりに 唄を聴いたのですが、技術的な向上よりも安定感の向上の方が強く感じられました。 細かい点では、力が入りすぎとか、ロングトーンの後処理が雑になりがちとか、 平坦な唄い方になっているといった点が気になりますが、現時点では技術を聴かせる 方針ではないらしいです(プロデューサーさん曰く)。結果的にセンターコートの 歌唱はいわゆるアイドルの“営業”みたいになっていました。
 続いてアクロス内にある紀伊國屋書店のフロアでのイベントが14:30,16:00の 2ステージです。リハーサル前は「Loging You」(ミニーリパートン)をチラッと演奏 していましたが、リハーサルでも本番でも唄うことはありませんでした。

14:30の回
R1. 僕らのHistory
 1. 春ほわり
 2. Open eyes
 3. I Love You〜スキダヨ〜
 4. 僕らのHistory

 店内でのイベントでは本人の演奏が何曲かありました。1回目のステージでは1,2曲目 が演奏有りで、2曲目以降はバックトラック併用。「Open eyes」で歌詞を間違えたり、 「I Love You〜スキダヨ〜」でフラットしていたり(モニタスピーカーがなかった)、 オケの音だしを本人が操作するのですが、止め忘れて次の曲のイントロが流れたり、 波乱の幕開けといった感じでした。

16:00の回
 1. 僕らのHistory
 2. 潮騒
 3. Open eyes

 全曲バックトラック併用、「潮騒」で本人の演奏が有りました。「潮騒」の後で マイクのシールドを抜いてしまったり、アコースティックバージョンの「Open eyes」 には唄い出しを合わせるためのカウント音が入っていたり(本人が悪いわけでは ありませんが)。
 さらに予定外で16:45頃からもう1ステージ唄うことになりました。

16:45の回
 1. 風を感じて
 2. Happiness

 どちらも本人の演奏は無し。なかなかオケの音が出ないトラブルがありました。
 いろいろと波乱に満ちたイベントでしたが、大きく動じることはなく堂々と 唄っていました。楽しそうに唄っていることが伝わってくるステージだったと 思います。唄に関しては中音域の声の出し方が良くなってしっかりしていました。

 MCの中で「インストアライブは実演販売」という話をしていました。そのように 教育されているのだとは思いますが、「ただで聴かせるつもりはない」という ニュアンスのことを改めて言われるとちょっと引っかかります。裏を返せば 既に買っている買っていないに関わらず「買う気がない人は聴かなくてよい」と 言っているように聞こえる発言です。福井静さんも同様なので、以下、少しきつい 表現になりますが書いておきます。
 一般的に音楽アーティストは楽曲を作り出したり、実演することが主たる活動で あるべきと思っているので、セールスやマネージメントの部分を露骨に出すと、 下品さが強くなってしまいます。音楽がよくわかっていない同郷(田舎)の人たちの ミーハー精神、親類縁者的なつながり、地元意識、さらには本人のキャラクターなどに 依存しすぎているように感じてなりません。いずれにしてもアーティストとしての 目的がどこかですり替わっているように思えてなりません。もしCDを売るのが 第一目的であるならば、シンガーソングライターではなくセールスウーマンと名乗る ことがふさわしい気がします。100人の人が1枚ずつCDを買っても、1人のパトロンが CDを100枚買い占めてもセールスとしては同じ数値になりますが、どちらでも かまわないとでも思っているのでしょうか。 別の視点で言うならば、彼女らは“唄うこと”“自分の思いを伝えること”“CDを 売ること”のいずれが主目的なのか、改めて考えてみても良いのかもしれません。 “唄うこと”ならばシンガー、“自分の思いを伝えること”ならソングライター、 “CDを売ること”ならセールスウーマンということになります。このあたりが、 音楽で生計を立てていない私と、彼女らや彼女らのプロデューサとの考え方の違いに なるかと思います。 百歩譲ってCDを売ることが目的だとしても、買う気がなかった人を買う気にさせるのが セールスの腕の見せ所だと思うのですが。
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copyright かみと,2007