福井静さんのファーストコンサートが鹿児島市民文化ホール第1で行われました。 以前、静さんの母校の吹奏楽部の演奏会に静さんが出演されたときに第1には訪れて いたので、知ったつもりで鹿児島中央駅から歩いて行ったのですが、遠回りして しまい1時間くらいかかってしまいました。
 第2の方は952席あるホールで、7〜8割は入っていたようです。後ろの方に座った ところ、静さんのご両親が私の近くの席の方々に挨拶されていたのですが、私のことも 憶えていてくださったようで、「やっとコンサートができました」とお礼を言われて しまいました。私は特に何もしていないのですが。プロデューサさんに挨拶すると 「生唄があるから前の方の中央に座った方が良い」と教えられたので、素直に前の方の 席へ移動。
 開演予定時刻は過ぎていたのですが、1ベルとアナウンスがあった時点で張り詰めた 空気が流れ、会場が静まり返ります。そんな状況の中、5分ほどして2ベルが鳴るころ には客席の準備は万端、むしろ登場しにくいのではないかと思うくらい期待のムードが 高まる客席でした。18:15近くなったところで開演。Perc、Gt、Keyのサポート。 静さんは白のブラウスに茶のロングスカートです。

 1. 忘れかけてたメロディー
    自分を落ち着かせるようにゆったりと唄い始めます。
 2. Dreamer
    やわらかいイメージの曲。ファルセットは弱めですが、サビに力強さがあります。
    曲の途中で譜面(バインダーに綴じていたもの?)が落ちるハプニングあり。
 MC メンバーが下がり、ラジオ番組のようにゆっくりした口調で挨拶。
  「皆さん今晩は。(お客さんの「今晩は」の声に)アットホームですね。」
    ファーストコンサートについて。
 3. 君が消えてしまわないように
    ロングトーンがきれいです。
 4. ここにいるよ
    ちょっと勢いがありすぎかも。
 MC 次は前売りチケットを兼ねたCDに収録されている曲。
 5. ありがとう
    これまでの静さんの活動がいろいろと目に浮かぶようです。
 MC ここでPfからセンターへ移動。女の子が主人公の恋愛の曲が多いけれど、次は
    そうではない曲。
 6. 大切なコト
    バックトラックを併用、Pfのサポート。スケールの大きな唄でした。
 MC 次は男性が主人公の曲。
 7. 部屋
    窓の形をした照明がステージの背景に写し出されます。
    この曲もバックトラックあり。情感のこもった唄でした。

ここで15分ほどの休憩になります。

再登場しセンターの椅子に座る静さん。上は白のブラウス、下はジーンズに着替えて
います。「地元の人は“お色直し”を期待している」という話を聞いていたので
衣装換えをしたようです。どちらも抑えた雰囲気だったのですが。

 MC まるでラジオの公録のように始まります。
 1. わびうた
    メリハリの効いた唄でした。
 MC 「ジングルやBGMも生演奏、豪華ですね。」ラジオのゆったりした話し方は、
    癒されるという人もいれば、運転中なのに眠たくなるという人もいる。
    「ほっとしてもらいたい、言葉や思いを丁寧に伝えていきたい。」
    ここでお客さんの携帯電話が鳴って、改めて電源を切るように促します。
    新たな一面を見せるということで…早口言葉に挑戦。ラジオでしか静さんを
    知らない人には新鮮だったかもしれません。
 2. ナチュラルミュージック
    ラジオ番組が100回にのときに作った曲とのこと。透明感のある声で唄います。
 MC 「この空間だからできることをやってみたいと思いました。生声、生ギターに
    挑戦します。」
 3. マチ
    マイクなし、Gtもアンプラグド。体全体を使って響かせるように、しっかりと
    唄っていました。
 MC メンバー紹介。
 4. 素顔
    明るく唄っていて、ステージを左右に動きます。
 5. ケセラセラ
    ステージから客席に下りて、客席を一周します。かなりビックリです。後ろの方で
    何が起こっていたのかはわかりませんが、唄の質よりもコミュニケーションの場、
    といった感じ。曲の終わりでメンバーの紹介。
 MC Pfへ移動。次はこの日のために用意した新曲。
 6. 言いなり
    3拍子の曲で、きびきびした唄い方をしていました。
 MC サポートが全員下がり「弾き語りを。」
 7. 魚
    静さんらしい、マイナー調の曲。中島美嘉さんの「雪の華」っぽいとも感じます。
 8. ごめんね
    Aメロは無機質に唄いたいところ。
 9. シャボン玉(?)
    アレンジを工夫していることがわかる演奏でした。
 MC 「(このコンサートに対して)不安もあったし楽しみになったりもした。“一人じゃ
    ない”という歌詞が出てくる曲がいくつかありますが、皆さんに一人じゃないと
    思ってもらえるような曲を唄っていきたい。私は唄でいつもそばにいます。」
10. 哀しみのメモリー
    涙ぐんでいたのか、少し音を外し気味でした。

深々とお辞儀をしたのですが、一瞬フラッとよろけて会場から心配そうな声が。

アンコールになります。

 MC 「胸がいっぱいで…感謝の気持ちでいっぱいです。」
    ここで客席をバックに写真撮影。メンバーを呼び込みます。
E1. ホームタウン
    のびのび唄えていました。
 MC 「緊張していたのでお聴き苦しいところがあったかと思い、アンコールがあったら
    もう一度唄いたいと思った曲を。」
E2. 忘れかけてたメロディー
    さくさくと流れるように進みます。
 MC サポートはここまで。「CDになっていない曲を。」
E3. 廻る羅針盤
    多少ファルセットに危なっかしいところもありましたが、
    じっくりと唄い上げます。
 MC ノーマイクで「ありがとうございました。」

 終了は20:23頃でした。
 静さんのやりたいことがいろいろと詰め込まれていた内容とのことで、うれしそうな 表情で楽しく唄っていることが伝わってきました。今回、久しぶりに静さんの唄を 聴いたのですが、特に意識して聴いていたのは演奏の技術向上について。 一人だけでの演奏でも表現力が向上していて、アレンジもバリエーションが多くなって いたと思います。ミスタッチがあっても慌てることなく自然に復帰できていたので、 演奏にも確かな自信がついてきたといえるのかもしれません。唄は以前と変わらず 堂々として張りのある声で全体的に安定していました。体全体を共鳴させるように 唄っていて広がりがあり、基礎がしっかりしている印象を受けます。 声の表情もうまく使い分けられていました。静さんの現時点での集大成を思わせる コンサートだったと思います。
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copyright かみと,2007