[ma]の企画ライブ“Una Voce vol.17”が下北沢440で行われました。今回は
ワンマンライブということで、過去の映像を交えつつ過去の曲も唄うということだった
ので、楽しみなライブでした。ただ、ワンマンライブのスケジュール発表後に
[ma]が3月いっぱいでライブ活動を休止するということになり、普段はライブに
来ない人たちも訪れようとしたために、チケットはソールドアウトとなりました。
19時開演予定でしたが、15分ほど遅れてスタート。その前にモニタでは下北沢440
での過去のライブ映像や、今回のライブ活動休止に伴うと思われるインタビュー映像
などが流れていました。今回のライブは3部構成。
第1部
MC 長丁場になると思いますがゆっくりしていってください。
1. always
MC "Una Voce"のチケットが完売したとホームページに書けてうれしかった。
2. dice cast
3. days
MC 長いライブになる。リハーサルの時点でうんざりした。
4. 三日月
MC CDを4枚くらい出している。今回は年代順にステージを構成している。
5. innocence
6. Replay
MC mayuさんが疲れを取るためにマッサージに行ってきた。
7. 今日も明日も
MC お客さんに血液型を尋ねます。
8. B型宣言
9. aLIVE
休憩時間中には過去の映像が流されていました。
・2000/03/16 長野Neon Hallでの初ライブ「Helloラブ[ma]」
・2000/08 長野CLUB JUNK BOX「To sky」
・2000/09 again音楽祭決勝「Happy Birthday」
・2000/11/07 長野CLUB JUNK BOX「everyday」
・2000/12/31 長野セントラルスクウェア
・2002 長野CLUB JUNK BOX「約束」
・2002/10/28 浜松町CLUB JUNK BOX TOKYO BAY「シンボル」
・2003/01/19 長野Neon Hall「約束」
・2003/02/22 宮崎串間市民会館「aLIVE」
・2003/05/02 下北沢440「A」
・2004/01/23 長野CLUB JUNK BOX
・2004/01/26 浜松町CLUB JUNK BOX TOKYO BAY「あこがれ」
・2004/05 新静岡センター「B型宣言」
・2004/10/28 下北沢440「おやすみのうた」
20:20頃から第2部スタート。
第2部
1. Liberty(吉田美奈子)〜Helloラブ[ma]!!
2. Happy Birthday
MC (休憩中の映像は)身を削って出した映像でした。ワンマンライブにむけて事前に
リクエストを募ったところ、マニアックなところに散らばった。
3. はるの風
4. ステップ〜桜涙〜かげおくり
MC 音楽祭で優勝した曲を。
5. To sky
6. 光の射す方へ...〜はなみるゆめ〜milk tea〜月
MC 「To sky」の前に「OPEN A WINDOW」というCD-Rを出していた。作った100枚が
すぐに売れた。
7. あのころ
休憩中、再び過去の映像が流されます。
・「アカシ」PV
・2005/03/05 長野スペシャルオリンピックス閉会式「Ring」(NHK映像)
・2005/07/09 長野松本市野球場高校野球開会式「夏のまぼろし」
・2005/12/17 長野市NBSホール「サンタさんへ」
・2006/04/22 長野まつもと市民芸術館「dice cast」「flare」「Sing a Song」
・2006/11/20 渋谷duo MUSIC EXCHANGE「君とグライダー」
・2007/11/16 高田馬場天窓.comfort「大きな世界」
・2008/02/24 高田馬場天窓.comfort「Peach Music Syndrome」
・2007/12/13 下北沢440「安らぎの場所」
第3部は21:28頃スタート。Percのサポートが入ります。
第3部
1. ユートピア
MC
2. ユメパズル
3. Peach Music Syndrome
MC
4. リセットボタン
5. Free Free
6. ツキノシズク
MC ayaさん、フェロモンを出しつつダイエットができるというDVDを買った。効果は
出ていない。フェロモンを出したい。この日のために作成したCD-Rについて。
世田谷線の奇妙な車内アナウンスについて。Una Voceは17回目。
7. アカシ
8. Sing a Song
9. ハナカゼ
本編終了は22:26頃。アンコールになります。
MC 下北沢440でのイベントは4年目。
E1. エンドロール
E2. ひとつの声
E3. voce
ダブルアンコール。
E4. 石のプロペラ
終了は22:55頃。このあとお客さんのドッキリ企画。ワルサーP31のロンリー中村さんが
音頭をとって、お客さんが「ハナカゼ」のサビを唄います。
最後にスライドショー風に写真を並べた映像が流されます。エンドロールとして、
1999年6月15日に結成…というあたりから、これまで出演した場所のリストが
ありました。この時点で23時を過ぎていました。モニタではBGVとして長野まつもと
市民芸術館のライブ映像などが流れていました。
[ma]の集大成。これまで長い時間のライブはやったことがないといっていた
ように、メドレーも含め35曲、休憩含め4時間近いライブでした。曲が多いことも
あって精度という点では最近の曲の方が良くできていたと思います。第1部で曲を
紹介するときに「懐かしい曲」と言っていました。第2部については「ほとんどの人が
知らないと思いますが」と言っていたのですが、やはり私には第1部の曲よりも
第2部の曲の方が懐かしく感じられます。「LIBERTY」〜「Helloラブ[ma]」のつながり
など、[ma]を初めて見た頃のインストアライブなどを思い出します。「To sky」や
「Happy Birthday」など、若干高音域のメロディーを変えていたように思います。
この頃の曲はキーが高くてそのままでは唄えず、キーを下げたという話もあるので、
そういうところにも時間の流れを感じます。
[ma]の純粋さは長野在住であることからきていたと思っていたのですが、
どうもそうではなかったようで、「昔はpureだった」と言っているように、音楽性が
気取ったおしゃれな感じで、ありがちなラブソングに変わってきたのは事実だと
思います。それが良いという人もいるかもしれませんが、「To sky」の頃の[ma]を
思うと妙にくすぐったい感じになります。かつての曲がまっすぐであったように、
いわば“大自然を感じさせる”音楽を続けてほしかったし、アンケートなどでもその
ことは書いていたつもりですが、その思いは通じませんでした。いつ変わったのだろう
と考えてみると、「Una Voce」発売前後の「ウタノチカラ」シリーズが終わった頃かな
という気がします。
今回のライブでは第3部の唄いなれた曲がしっくりきていることからも、確実に
かつてとは違って変わっていること(成長ともいえるのかもしれません)がわかります。
しばらく会わなかった幼なじみに、やけによそよそしくされたような感覚です。
べつに間違ってはいないけれど、ちょっとさびしい感じ。ayaさんの唄は力強さに
代わって声にグラスハープのような響きがでていますし、mayuさんは技術的な向上だけ
でなく、ステージでの華やかさなども出てきていると思います。それが成長ということ
なのかもしれません。
[ma]の二人が今後どうしていくのかわかりませんが(ライブ中にはサポートである
Percのトミーさんと3人で“もしもしさん”として活動するかも、などと笑って
いましたけど)、すっきりとした表情や悲壮感の無さは、計画的な休止だからとも
思えるし、ライブ活動にきっぱり決別できているからとも思えます。実際は月末まで
まだライブが残っているから、だと思いますけど。
私にはショックとかさびしいという感覚は薄く、まるで年越しの瞬間のような、
普段と変わらない瞬間でありながら、その瞬間に意味づけして気持ちを切り替える
ためのもののように感じています。本来はどのように切り替わるかが大切だけれども、
むしろ切り替えること、惰性の動きを止めることに意識が向いている気がします。
一方、大学時代遊び気分で結成したという[ma]が、ついに卒業を迎えるようにも
感じられます(進路が不明ではありますが)。今も遊び気分で活動しているという意味
ではなく、今までとは異なる環境になるという意味であって、今よりも良くなるか
悪くなるかは[ma]の二人しだいです。無責任かもしれませんが(私にはほとんど
影響力や責任は無いでしょうけれど)、私は「見守っている」というようなことは
言えません。ただ、「二人にとって今よりも良い環境になればいいね」としか
言えません。
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かみと,2008