下北沢mona recordsで行われた“中島みゆきナイト”を見てきました。以前は
“ユーミンナイト”として数組のアーティストが松任谷由実さんのカバーをする企画
だったそうですが、今年は中島みゆきさん。サポートミュージシャンとして
伊藤健太さん(Bs)、森信行さん(Dr)、師岡大也さん(Key)、ネロさん(Gt)。MCは
HMVに勤めていた長井英治さんとmona records店長でTOWER RECORDSに勤めていた
行達也さん。出演者は9組で、出演順はその場でくじ引きにより決めていました。
○かっぺらーズ
福島から来た母と娘のユニット。母がGtVo、娘がPfで、この二人だけサポート
バンドは入りません。
1. アザミ嬢のララバイ
2. 時代
お母さんはかつてポプコンの地方大会で優勝したことがあるとか。
○堀下さゆり
福島のアーティストが続きます。
1. 夜曲
2. 糸
普段の唄い方ではない太めの声で唄っていました。
○桃色おかん
さらに福島の女性ボーカル。
1. B.G.M.
2. 鳥になって
素性はよくわかりませんが、この日のボーカル陣の中では最も中島みゆきさんが
好きそうでした。
○青野りえ
aoyamaやFROGなどで活動されている青野さん。
1. この世に二人だけ
2. タクシードライバー
○やまはき玲
1. 世迷い言
2. ひとり上手
ストレートな唄い方をしていて、中島みゆきさんっぽさが出ている唄い方。
休憩
○ヨーコ(スロウドラマ)
1. 成人世代
2. かもめはかもめ
比較的落ち着いて唄っているように見えました。
○タカギマリコ
1. ルージュ
2. ファイト!
出演者の年齢層が高めだったこともあり、24歳の彼女はいかにも若い。吐息系の
唄い方していました。
○CARNelIaN
女性二人。コント的な小芝居をはさみつつ唄っていました。
1. うらみます
2. 化粧
「うらみます」は登場の際にアカペラで少し唄ったもの。
○タリエ(harmonic hammock)
1. 悪女
2. わかれうた
ハスキーで引っ掛けるような唄い方でした。本人曰く、普段はもっと高いキーの
曲を唄っているとのこと。
○桃色おかん
1. 世情
この曲が挿入歌として使われたドラマ「3年B組金八先生」の映像を流しつつ、
行さんもGtVoとして参加。
普段唄っていないと思われる人も出演していたので唄のレベルはさまざまで、
唄を聴くというよりは曲を通して中島みゆきさんの世界に浸るという感じでした。
ボーカリストたちも必ずしも中島みゆきさんをよく聴いているというわけではない
らしく、多くはMCの行さんが選曲したものだったようです。そもそも私自身も
中島みゆきさんに詳しいわけではなく、聴いていたのはアルバム『予感』がメインで、
あとは有名な曲を知っている程度。行さんは『予感』までで中島みゆきさんを
聴かなくなったとのことで、選曲が“『予感』までの曲縛り”に近いことから、
思ったよりも知っている曲が多かった内容でした。それぞれのボーカリストも
普段唄っている曲ではないこともあって全体的に完成度は高くなく、本当に
中島みゆきさんを好きな人には物足りない内容だったかもしれません。ただ、
MCの長井さんが驚愕するほどの中島みゆきマニアで(マニアと言って良いでしょう)、
さまざまな情報や資料の一部を披露していました。たとえば資料は
- 世界歌謡祭の模様が挿入されたテレビ出演の映像
- 加藤登紀子さんと中島みゆきさんのデュエットの映像「この空を飛べたら」(Youtube?)
- オールナイトニッポンの音声
- 松任谷由実さんと中島みゆきさんの対談の音声
- ジャケットが岩波文庫のデザインと似ていたために発売前に回収・差し替えとなったアルバム『短編集』の差し替え前の実物
など。長井さんはオールナイトニッポンのカセットテープを100本くらいは所有して
おり、テープ代が高かったことから46分テープでCMをカットしながら聴いていたとか。
このカセットテープを聴くために急遽カセットデッキが必要となり(行さんが準備を
忘れたらしい)、お客さんにtwitterなどで呼びかけてもらう場面もありました。
また、中島みゆきさんの情報としては
- 世界歌謡祭の直前に父親が脳梗塞で倒れ、楽曲を「時代」に変更した(残念ながらお父さんは亡くなられたそうです)。
- 世界歌謡祭でグランプリとなったとき、用意されていたオーケストラの演奏をその場で断って弾き語りに変更した。
- 来月還暦になる。現在も独身だが、かつては松山千春さんなどとも恋の噂が流れたことがあった。
- 20数年前から下北沢に住んでいる。
- 普段からスタッフのガードが固く、業界関係者でも楽屋訪問など難しい。
- 普段着はちょっと奇抜。
- 長井さんがHMV渋谷店にいたとき、店内で流れていた小谷美紗子さんの「嘆きの雪」を聴き、買っていった(長井さんは接客するので精一杯だったとか)。
- 天理教の信者で、「糸」は天理教教祖の結婚式に向けて作った曲。
など。これらはトークの中で出てきた話だったり、出演者から受けた質問に
答えたもの。
まだまだ話はありそうですが、また来年ということで終了。
トークイベントとしての価値のほうが高かったかも。
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かみと,2012