奥華子さんのツアー“Last Letter”の昼の部、弾き語りライブを見てきました。 会場のZepp Namba、1階席はほぼ埋まっている様子で2階は6割くらいといったところ でしょうか。弾き語りということもあってか、お客さんは比較的静かでした。 客席から向かって左側にキーボード、右側にグランドピアノがあるだけの シンプルなステージです。13:06頃開演。ダボッとしたゆったりめの衣装で 奥華子さんが登場します。

 1. 君にありがとう(Pf)
 MC ハンドマイクで話しだします。「こんにちは。やってきました大阪!」
    「今日が2013年スタートのコンサートです。これまでは年末にツアーをして
    いましたが、皆忙しいということで年始にしてみました。」
    「2007年から始めた弾き語りツアーは今回の“Last Letter”で最後になります。
    “Letter”と付けたのは、一人の相手に届ける手紙のように唄を一対一で
    届けたかったからです。」
 2. 手紙(Pf)
 MC 「久しぶりのツアー初日で緊張していました。袖からそっと客席を覗き見たの
    ですが、早くお客さんに会いたいと思う気持ちのほうが強かったです。」
    「(あまりのお客さんの静けさに)このしーんとした空気、どうしよう。」
    大阪は夏以来だけれど9月に淡路島でライブがあった。父親が淡路島出身で、
    250人くらい来てくれたお客さんのうち50人くらいが親戚だった。父親が
    唄いたいと言い出したけれど、お客さんに申し訳ないので、親戚だけ残って
    もらって父に唄ってもらった。
    「2004年に路上ライブを始めて、プロデューサーの福田さんに『これで売り出す』
    と言ってもらったけれど、暗すぎて(レコード会社に)却下された曲を。」
 3. 雲よりも遠く(Key)
 MC 「次の曲も路上ライブがきっかけになった曲。」
 4. 笑って笑って(Pf)
 MC 「ちょっとじっとりした曲が続きましたけれど、1曲くらい明るい曲を。
    明るい曲は後ろ(夜の部)にまわしてしまいました。」
 5. 一番星(Key)
 MC 「ここだけ盛り上がった。ここからじっとりくる曲を。」
    「余計なことはしゃべらず唄おうと思ったけれど、結構しゃべってるね。」
    「友達が結婚する時に作った曲を。結婚って、良いことも悪いことも分かち
    合える鏡のようなものかな、と思って。」
 6. しあわせの鏡(Key)
 MC 「ちょっとしゃべっていいですか。」
    「年末は一人さびしく紅白を見ました。3日に親戚が奥家に17人集まるという
    ことで。一家に1ペットがいて、兄はモモンガを連れてきました。」
    「昨年テレビに出るときに『太りすぎてやばい』ということになって、
    生姜とカービーダンスで5キロ痩せました。」
    「なんやかんやで暗い曲ばかり。じっとりした曲を4曲連続で。」
 7. 押し花(Pf)
 8. 楔(Pf)
 9. 最後の恋(Pf)
10. あなたに好きと言われたい(Pf)
 MC 「別れの曲のほうがいろいろなことを言えると思っています。幸せなことも
    過去のことだとせつなくなるので。」
11. ガーネット(Key)
 MC 「自分の外側に行きたくて自分を知ってもらおうと思って作った曲を。」
12. 初恋(Pf)
 MC 昨年ベストアルバムを発売した。どの曲も大切な曲。曲を作ったことで皆と
    出会えて毎日を過ごすことができた。曲には人生が詰まっている。
    ライブを始めて14年、自分の存在を知ってもらいたいと思って唄っていた。
    何のために唄っているか考えたとき、何のために生きているかと同じで
    誰かを愛するためだと思った。そんな思いを込めて、デビュー曲「やさしい花」
    のアンサーソングでもある次の曲。
13. 愛を見つけた場所(Pf)
 MC 「“Last Letter”皆の心にどんなふうに届いたんだろう、届いたらうれしいと
    思います。」感極まって涙を流す華子さん。「泣くつもりじゃなかったけど。」
    いつもだと次のライブや次のツアーの告知をするけれど、ツアーは今回で一休み。
    いい曲を書くために休みたい。この後も見守ってもらいたい。
    「本編は次の曲で最後。」
14. 燈(Pf)

14:59頃、本編終了。アンコールになります。
グッズのTシャツにジーンズ姿で登場。

 MC 「“Last Letter”楽しんでいただけたでしょうか。言いたいことはたくさん
    ありますが、唄で伝えたい。」
    3月20日にDVD発売。
    カレンダーの写真を撮影しているとき、子供たちが「モデル?」のような会話を
    しながら近づいてきて、通り過ぎるときに「違った」と言っていた。
    本編での衣装は初ワンマンのときのもの。137人が来てくれた。
    あの日があって今がある、つながってきていると思っている。
    九段会館のライブの時に作った曲を。
E1. タイムカード(Pf)
 MC 「またライブで会えるように、必ずまた唄いたいと思っているので、待っていて
    もらえたらうれしいです。」
    「この日のこの時間を胸に焼き付けたい。今の気持ちに一番合っている曲を。」
E2. 自由のカメ(Key)
 MC (マイクを通さず)「(次のライブについて)近いところだと夜の部があるんで。
    チケットもまだたくさんあるんで。」「本当にありがとうございました。」

 終演は15:25頃でした。
 昼のライブということもあってか、前半はやや声に不安が感じられました。 声が十分に出ていなかったり、コントロールしきれていないところがありました。 キーボードの曲は全体的にうまくまとまっていたように思います。シンプルな構成 だけに、声そのものはもちろん、演奏する音の一つ一つも素のままなので、 なかなかシビアな環境だったかもしれません。
 調子が上がってきたのはじっとり4曲連続のあたりから。「楔」は音の隙間から ストーリーが浮かび上がるようで、小説の場合に行間を読むかのように伝わって くるものがありました。「あなたに好きと言われたい」もストレートに感情が ストレートに伝わってきます。このあたりの展開は実に奥華子さんらしいところで、 まさに真骨頂、周囲から鼻をすする音も聞こえてくるほどでした。 アンコールの最後の曲「自由のカメ」はキラキラした演奏で、すごく前向きな ラストだったと思います。
 今回のようなホールツアーのような形態は今回で一区切りとのことですが、 それほど悲しくは感じませんでした。それは、彼女が路上ライブなどを通じて 地道にお客さんを集めてきたことを知っているので、活動のスタイルが変わっても やっていけると思えるから。ホールではなく、もっと聴く人ひとりひとりの近くで 寄り添うような歌を唄いたいのではないか、と感じたコンサートでした。
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copyright かみと,2013