平野里沙さんの「ホームからの出発~グランドピアノさんとまわる東名阪ツアー~」
の最終日、心斎橋Soap opera classicsでのライブが行われました。昼のライブです。
チケットはソールドアウトとなっていますが、立ち見が出ない客数に抑えたようです。
13時開演。まずはツアータイトルがスクリーンに投影されます。
1. ホーム
唄い出した後に「最後まで楽しんでいってください。」とはさみます。
MC
2. ディズニーメドレー(Instrumental)
3. POWER OF LOVE
4. 頑張って
MC 「改めまして、こんにちは平野里沙です。お集まりいただいてありがとう
ございます。最後まで全力で唄うので、最後まで全力でついてきてください。」
会場のSoap opera classicsについて。初めてワンマンライブ(2010/06/12)を
した場所で、いなか(故郷の意味)に帰ってきた気持ちになる。
今回のツアーはすべて昼公演で、気づいたことは皆が眠そうなこと。
5. 恋してるの
6. ギュッ
7. ショートカット
のどを心配したのか、一部唄わないところがありました。
MC 「楽しんでいただいてますか。」
Soap opera classicsのピアノは鍵盤が重い。この場所に出始めたころ、
グリッサンドで指の皮がむけた。子供のころはピアノが嫌いで、毎日30分の
練習を続けるのがつらかった。華原朋美さんが好きで唄い始めた。
大阪音楽大学ではポピュラーボーカル科で、自分より唄がうまい人ばかりで
挫折しかけたけれど、ピアノを弾ける人がいなかったので自信を付けた。
そして弾き語りのスタイルになった。
8. 歌手
9. 鬼ごっこ
10. 甘い嘘
MC お客さんに、起きた時間や睡眠時間を尋ねます。
11. 魔法のパレット
東京のライブで初披露した曲。モノクロの生活をカラフルにする、という内容。
12. ヘッドライト
13. HAPPY NOTE
名古屋では“しゃちほこ”、東京では“スカイツリー”を織り込んでいましたが、
大阪では“ハルカス”でした。
MC 「ハルカスになりませんか?(立ち上がりませんか、の意味)」
14. サマーバケーション
MC お知らせ。8月いっぱいで事務所を辞めたが、一緒に辞めたスタッフのふじたさん
と秋休の二人が立ち上げた事務所ラッドエンタテインメントに10月から所属する
ことになった。
生きていればきっといいことがある。あきらめないで唄っていきたい。
15. 未来の私へ
本編終了は14:53頃。
アンコールは東京と同じく、3月のワンマンライブ以降のライブやイベントでの
スナップ写真によるスライドショー。
MC ライブ告知。
E1. リスタート(新)
今の状況で唄える音域の中でまとめたようなメロディーでした。アップテンポで
明るめの曲。
MC つらいこともたくさんあると思うけれど「笑顔で頑張ろう」と、このライブを
思い出してほしい。
E2. トンネルの向こう側
終演は15:20頃でした。
1曲目はかなり不安定な立ち上がりで、まだまだ復活は遠い印象でした。
中音域でのどを開いた声の出し方をするときは比較的良くなっています。
低音域は音域的に声を出せていない、高音域は声が枯れてしまう、そんな感じです。
Soap opera classicsでの初ワンマンのときは半分が友達だったと話していましたが、
一般のお客さんは増えたものの満身創痍となった状況は、その代償が大きすぎた
気がします。新曲のタイトルが「リスタート」、新しい事務所所属となって
新しい出発に向けたライブだったかもしれません。
前の事務所に所属するまでが第一章、前の事務所での活動が第二章とするなら、
今回のライブは第二章の終わりを告げたライブだったと思います。
明らかなターニングポイントですが、今回のライブに第三章スタートの印象は
ありませんでした。
かつて「話し方と唄声のギャップを活かす」ということを里沙さんに話したことが
あります。今の唄い方、今の活動ペースのまま(既にペースを落としていますが)では
回復は難しく、状況がさらに悪化することも否定できません。現状の唄のレベルを
維持できても、半年後には、里沙さんの音楽ではないところが好きな客と近親者しか
残っていない気がします。
少なくとものどが完全に治るまで「張り上げる唄い方を封印する」あるいは
「ライブ活動を休む」といった決断ができれば、のどを壊す前の状況に戻る可能性も
あると思いますが、今のスタイルを変える“目の前の不安”の方が勝る以上、
難しいのかもしれません。新曲の「リスタート」では用意されたレールを外れることを
唄っていますが…。
里沙さんはよく「皆を楽しませるため」とか「皆を笑顔にするため」と言って
いますが、現状の痛々しい唄では同情しか感じません。
曲の登場人物の境遇に共感することは音楽の話ですが、
歌手の境遇に同情して唄を聴くのは人間関係の話です。
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かみと,2013