奥華子さんのコンサートを大阪エル・シアターで見てきました。開演直前に
またも当日券で入場。約800席の会場は9割方埋まっていました。
「奥華子コンサートツアー2014弾き語り~君と僕の道~」というタイトルで、
サポートなしのシンプルな構成です。ステージには下手側に立って演奏するための
キーボード、中央にグランドピアノ、上手側に座って演奏するためのキーボードが
用意されていました。
席に着く直前に客席が暗転、16:03頃開演です。
1. その手 [Pf]
やや長めのイントロです。
2. 道 [座Key]
MC 「ようこそ“奥華子コンサートツアー2014弾き語り~君と僕の道~”へ。
ツアーは2年ぶりです。」
初めて奥華子さんのライブを見る人がどれくらいいるか尋ねます。そんな人に
「注意事項です。全然盛り上がりません。盛り上がる曲は1曲集中で。
それ以外はじっとしていてください(笑)。」
「アルバム「君と僕の道」に1曲シングルが入っているのですが、冬花火。
夏のツアーで違和感あるかもしれませんが、冬にとらわれず片想いシリーズ
ということで唄っていきたいと思います。」
3. 冬花火 [立Key]
4. 秘密の宝物 [Pf]
MC アルバムにはセルフカバーした曲がある。竹達彩奈さんに提供した曲で、
家族や友達、ファンへの感謝をテーマとして依頼された。
5. HIKARI [Pf]
MC 「今日は3台体制です。左右のお客さんに顔が見えたほうがいいと思って
スタッフに言ったら、「顔は見えなくてもいいのでは」と言われました。」
「ベストアルバムを出してからツアーを休んでいたんですけど、今は
ものすごくやる気があります。急に前向きになりました。」前向きになった
要因は、「しょうが」(血行が良くなり、2年で7キロ痩せた)、「通販番組」
(同じテンションで安心できるし、悪いことを言わない)、「野良猫との
出会い」(少しずつ距離が縮まっていく感じがよい)。
6. 変わらないもの [立Key]
7. blue green [座Key]
MC 信号の色は青ではなく緑だと思っている。「blue green」は、人によって
見え方が違うことを唄った曲。「愛が本物か偽物かわからない…病んでますね。」
8. しわくちゃ
ハンドマイクでオケ使用。客席に下りてきて、客席の最後列まで移動しながら
唄っていました。
MC 「盛り上がっていますか! この曲だけですけど。」
次は、みんなのことを唄う「みんなのうた」を即興で作るとのことで、
お客さんから最近起こった出来事を挙げてもらいます。奥華子さんが最近テレビに
出ていたとか、彼氏がニートになったので別れたとか、出産したとか、
4人の子供を置いてライブに来たとか、婚約したとか、たくさんのエピソードが
挙げられていました。
9. 即興みんなのうた [Pf]
挙げてもらったエピソードを盛り込んだ曲に仕上げていました。
MC テレビでCMソング代表としてカラオケの番組に出演した。その時に唄った曲を。
92点で負けたけれど、もし決勝に残っていたらaikoさんの曲を唄うつもりだった。
10. PIECE OF MY WISH(今井美樹) [Pf]
そつなく唄っていました。
MC ライブに向けて選曲しているときに、暗いなと思った。無くした時こそ、
そのものの本当のありがたみがわかる。
「ここからは自分の好きな曲を。」
11. 君の空 [Pf]
12. 幻の日々 {Pf]
13. 記憶 [Pf]
14. 初恋 [Pf]
MC 大学時代の友達に向けて作った曲を。宮崎に住む友達に電話してみたら、
家族が病気であまり元気がなかった。そこで友達と会いに行ったら空港まで
迎えに来てくれていて、会っただけで号泣。飲んだり食べたりして大学時代の
頃のように楽しんだ。帰り際にその友達が「こんなに笑ったの久しぶり」と
言ってくれた。
言葉にしないとわからないこともあるけれど、言葉にしなくても伝わることも
ある。
15. 10年
MC もうすぐデビューして10周年。誰かのためとか、誰かのせいではなく、
自分のために歌を唄っていきたい。これからもライブに来てほしい。
16. ピリオド
本編終了は18:09頃。アンコールになります。
MC 着替えて登場しグッズの紹介。通販風に紹介していました。
「(アンコールについて)“ありがとう”しかないです。」
E1. ガーネット [Pf]
E2. 未来地図 [Pf]
MC 唄い終わって終了かと思ったのですが、「まだまだ終わらない。」
E3. Happy days [立Key]
MC (オフマイクで)「また会いたいので、元気でいてください。」
終演は18:36頃でした。終演のアナウンスも奥華子さんが担当しています。
さらに、帰りの通路部分では奥華子さんが待ち構えていてお客さんとハイタッチ。
ピアノは重厚な印象、キーボードはスケール感のある音、というような違いが
感じられます。奥華子ワールドともいえる似たような曲調の曲が続くのですが、
グランドピアノと2台のキーボードの使い分けが効いていたと思います。唄は
若干危なげなところもありましたが、中低音域が特に安定していて迫力のある
唄になっていました。
「自分のために唄っていきたい」という決意も印象的でした。華子さんなりの
葛藤があったのだとは思いますが、レコード会社やスタッフやお客さんの
好みに合わせて、自分の思いとは違う曲を唄っていくのではなく、自分の好きな
音楽を貫く意志の表れなのでしょう。音楽を長く続けていく決意が感じられます。
「自分のために唄っていきたい」の反対となる表現は「多くの人に向けて唄いたい」が
意味として近いかもしれません。これは、お客さんや売り上げが減ったら唄う意味が
ないと判断して、唄うことを辞める理由になります。よって「自分のために唄う」
とは、周りに流されずに音楽を続けるという宣言だと理解できます。
これからもずっと、誰かのためではない“日記のような音楽”を唄っていく
のでしょう。
音楽以外の部分では、これまでの経験に基づいた様々な工夫がなされていて、
エンターテインメントだけでなくサービスとしても良く考えられている
印象でした。一般的にはホールからすぐに追い出そうとしますが、
後ろの席のお客さんから順にハイタッチということで、前の席のお客さんは
待つのも苦ではないだろうし、その間にアンケートも記入できたでしょう。
ロビー部分の数か所にセットリスト(収録CD情報含む)が張り出されているのも、
お客さんのニーズに応えていると思います。
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かみと,2014